ブラシレスDCモータの用途 その特徴を活かした例を紹介

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2021年2月1日

ブラシ付き・ブラシレスを問わず、DCモータは「起動トルクが大きい」「高速回転が可能」といった特徴があり、さまざまな用途で利用されています。なかでもブラシレスDCモータは、ブラシ付きと比べて長寿命でメンテナンスの手間がかからず、静音性が高いモータです。

ブラシレスDCモータは、どのような分野で活用されているのでしょうか。ここでは、分野ごとの用途例を紹介します。

ブラシレスDCモータの特徴とメリット

まずは、DCモータとはどのようなモータなのか簡単にご紹介します。DCモータは直流電源を使用するモータです。「高速回転が可能」「起動トルクが大きい」などの特徴があり、電圧に応じて回転数やトルクの制御もできます。

DCモータは、ブラシという電極の有無によって「ブラシ付きDCモータ」と「ブラシレスDCモータ」の2種類に分類されます。ブラシ付きDCモータはブラシと整流子を備えていますが、これらは消耗品のため「寿命が短い」というデメリットがありました。一方ブラシレスDCモータは、その名のとおりブラシがありません。モータ内部の磁気センサで検出した信号をもとに、駆動回路のトランジスタをオンまたはオフにすることでモータを回転させます。

つまりブラシレスDCモータは、消耗品であるブラシを使わずに電子的に電流の向きを切り替えることで、「高いメンテナンス性」「長寿命」という特徴を実現しています。さらに、ブラシ付きモータと比較して静音性が高いことが魅力です。

モータ音が小さくて静かなため、家庭用の電子機器などで静音性を向上させたものが多く展開されるようになりました。

一般家電分野や業務用電化製品分野における用途

生活している中でブラシレスDCモータを直接見る機会は少ないですが、私たちが普段から使っている家電製品の中にも多く採用されています。例えばエアコンや冷蔵庫。冷気や暖気を排出するためにファンが装着されていますが、そのファンを動かすためにブラシレスDCモータが採用されています。

同様に扇風機でも採用されるケースが増えています。扇風機の羽の回転は非常に早く、モータ音がしやすいことから、ブラシレスDCモータを採用して静音性が高く細かな風力調整ができるモデル展開もあります。

その他にも業務用電化製品に用いられるケースもあります。例えば、レーザービームプリンタの紙送り機能。ドローンではプロペラやジンバル制御。工具ではドライバーやのこぎりなどの回転。このようにブラシレスDCモータは非常に汎用性が高いモータなのです。

ブラシレスDCモータの導入事例

決め手はモータの変更だけではなかった。残された課題をクリアし機器をさらに小型化

提案を受け、暗礁に乗り上げた新製品開発が始動。開発費の抑制と製品の省エネ化を実現

精密機器分野における用途

ブラシレスDCモータは、精密機器分野でも多く採用されています。メジャーなものとしては、パソコンやDVDなどに用いられるHDDやPCのドライブ、ブルーレイレコーダーなど。これらの要となる機能としてディスクの回転があります。ディスクを回転させるためのスピンドル部分に、ブラシレスDCモータが使われているのです。

日常的に使用されるものの多くは長寿命性が求められています。寿命が長くメンテナンス頻度が少ないブラシレスDCモータは精密機器分野で欠かすことのできない存在です。

車載分野における用途

ご紹介したようにブラシレスDCモータが採用されるケースは近年増えていますが、最も大きく採用を伸ばしているのが車載分野です。自動車を動かすためには、さまざまな電子機器が必要となります。主な用途例は次の通りです。

  • 電動パワーステアリング用モータ
  • 電動オイル分布用モータ
  • ヘッドライト光軸駆動用モータ
  • 電動パーキングブレーキ用モータ
  • 電動アクティブスタビライザー用モータ
  • ハッチ自動開閉用モータ
  • ドアロック用モータ
  • ドア開閉用モータ
  • シート冷却用ファンモータ

自動車には、運転手や同乗者はもちろん、歩行者や他の自動車などを危険にさらしてしまうリスクがあります。そういったリスクをできるだけ抑えるために、長寿命でメンテナンス頻度の少ないブラシレスDCモータが採用されるシーンが多くなっています。また、ブラシレスDCモータの高い静音性は、運転環境をより快適なものにします。

ブラシレスDCモータの特徴を活かした用途分野を把握しよう

ブラシレスDCモータは、ブラシを使用しないことから「長寿命」「メンテナンス性が高い」「静音性が高い」といったメリットがあります。この特徴を活かして、私たちの生活のさまざまな分野で利用されています。

家電などで日常的に使用される電子機器から業務用電化製品まで。その応用は多岐にわたります。そして最近では、快適性と安全性が求められる車載分野にも応用されるようになっています。自分たちの周囲でブラシレスDCモータがどのように活用されているのか、あらためて確認してみてはいかがでしょうか。

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ASPINAのブラシレスDCモータは、モータ単体だけでなく、駆動・制御系から機構設計までを含んだシステム部品としてご提供しています。試作から量産、アフターサポートまで一貫して対応しています。
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ぜひ、お気軽にご相談ください。

用語集、FAQへのリンク

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