電動機とは

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2020年6月16日

電動機は一般に「モータ」と呼ばれ、電流によって生じる電気エネルギーを回転運動などの機械的エネルギーに変換するための装置のことです。簡単に言えば、電気を使って動力を得る装置ということになります。

モータは、電気を用いて手軽かつ効率的に利用でき、駆動用として高い出力が得られるだけでなく、小型化も容易なことから、各種装置・機器に組み込まれて産業や暮らしのさまざまなシーンで使われています。

電動機の原理

学校の授業で「フレミングの左手の法則」を学んだことを覚えているでしょうか。モータはこの原理を応用して、磁界中のコイルに電流を流した時に発生する力を用いてモータ軸を回転させます。
下図の場合、磁石で作った磁界の向きに直角に電流を流すと、フレミングの左手の法則によって上方向に力が発生します。

  • 磁界:N極からS極に向けて磁力が働く空間のこと。

モータが回転する仕組み

この力を用いて、例えばブラシ付きDCモータ※1であれば、コイルが半周したところで、電流の流れを反対に切り替える仕組み(ブラシと整流子※2)を用いることで、モータ軸を連続して回転させています。

  • ※1
    DCモータ:直流電源を用いる直流モータのこと。
  • ※2
    ブラシと整流子:組み合わせて使うことで、モータ軸が半回転する度に電流の流れを切り替えることができる。

電動機誕生の背景

電動機の発明・発展には、19世紀の多くの科学者が関わっていますが、とくに大きな影響を与えたのはファラデー(英)でしょう。彼は1821年に、電流によって生じた磁場と磁石を用いて針金を回転させるという実験を成功させました。さらに1831年には、電磁誘導の法則を発見し、電動機や発電機が大きく発展するきっかけを作っています。

その後、さまざまなタイプの原動機が考案され、DCモータの原型ともいえる仕組みが登場しています。

そして1872年には、実用的な電動機が"発明"ではなく"発見"されることになりました。ウィーン万博に出品された発電機のひとつが、間違って他の発電機につながれて回転を始めたことから、発電機の仕組みを電動機に応用できることが分かったのです。以後、発電機の実用化は急速に進み、20世紀には多くの産業を支えることになりました。

電動機と発電機

電動機は、電力エネルギーを回転力などの機械的エネルギーに変換する一方で、発電機は、機械的エネルギーを電力エネルギーに変換します。
つまり正反対の機能を備えた装置ですが、その構造や仕組みはほぼ同じです。実際、電動機がそのまま発電機として動作することは、2台の模型用モータをつないだ実験を行うことで、簡単に確かめることができます。
もちろん、そもそも用途が異なることからそれぞれ独自に発展し、今日に至っています。

電動機の分類

電動機(モータ)は、電気の流し方やコイル(巻線)の配置方法、磁場のつくり方などによって多種多様な方式があり、分類方法もさまざまです。
ここでは、産業や暮らしなどの身近な分野でよく使われている3種類のモータについて説明します。

DCモータ(直流モータ)とは

直流電源で回転するモータです。ブラシ※1の有無によりブラシ付きDCモータとブラシレスモータ(BLDC)に分類されます。
ブラシ付きDCモータは直流電源に接続するだけで回転しますが、ブラシレスモータは回転子※2の磁極の位置を検出するセンサと、適切な電流を流すための駆動回路(ドライバ)が必要になります。

  • ※1
    ブラシ:整流子と組み合わせて使う部品。
  • ※2
    回転子:モータの回転する部分。いわゆるモータ軸。

ACモータ(交流モータ)とは

交流電源で回転するモータです。使用する交流電源が単相※1か三相※2かによって分類されます。
さらに単相モータは、回転力を得るためにコンデンサ※3を用いるコンデンサモータと、くま取りコイル※4と呼ばれる補助的なコイル(巻線)を用いるくま取りモータに分かれます。

  • ※1
    単相:主に一般家庭で用いられる交流のこと。
  • ※2
    三相:主に産業分野で用いられる交流のこと。
  • ※3
    コンデンサ:電気を蓄える電子部品のこと。
  • ※4
    くま取りコイル:固定子の鉄心の一部に短絡コイルを巻きつけたもの。

ステッピングモータとは

パルス信号※1により、一定の回転角度で断続的に回転するモータです。
回転子※2に磁石を使用するPM型※3と、鉄心を使うVR型※4、磁石と鉄心を組み合わせたハイブリッド型があります。

  • ※1
    パルス信号:電源のON/OFFの繰り返しによって生じる信号。
  • ※2
    回転子:モータの回転する部分。いわゆるモータ軸。
  • ※3
    PM型:Permanent Magnet Typeの略。永久磁石型のこと。
  • ※4
    VR型:Variable Reluctance Typeの略。歯車状の鉄心により回転角度を細かく設定できる。

電動機の分類のまとめ

以上の3種類のモータの特徴をまとめると次の表のようになります。

モータの分類 モータの種類 構造 駆動方法
回転子 固定子
DCモータ(直流モータ) ブラシ付きDCモータ 巻線
整流子
磁石
ブラシ
直流電源で動作
ブラシレスモータ 磁石 巻線
位置検出素子
直流電源と駆動回路が必要
ACモータ(交流モータ) 単相かご形誘導電動機コンデンサモータ 鉄心
バー
巻線 単相交流電源で動作。
コンデンサが必要
単相かご形誘導電動機くま取りモータ 鉄心
バー
巻線
くま取りコイル
単相交流電源で動作。
コンデンサが必要
三相かご形誘導電動機 鉄心
バー
三相巻線 単相交流電源で動作
ステッピングモータ PM型(永久磁石型) 磁石 巻線 直流電源と駆動回路が必要
VR型(可変リラクタンス型) 鉄心 巻線 直流電源と駆動回路が必要
ハイブリッド型(複合型) 磁石
鉄心
巻線 直流電源と駆動回路が必要

なお、上記以外のモータとして、次のような種類もあります。

モータの種類 特徴
リニアモータ 直線運動を行う
超音波モータ 超音波振動を利用して駆動
コアレスモータ 回転子に鉄心を持たないブラシ付きDCモータ、および固定子に鉄心を持たないブラシレスモータ
ユニバーサルモータ 回転子と固定子の双方に巻線を持ち、交流直流両用
ヒステリシスモータ 回転子にヒステリシス材料を使用したACモータで、ヒステリシストルクを利用して回転する
SRモータ VR型のステッピングモータに回転子の位置検出機能を設けることで脱調を防ぐ

モータの用途

モータにはさまざまな用途がありますが、ここではASPINAが提供しているブラシレスDCモータとステッピングモータがどのような分野で使われているのかご紹介しましょう。

ブラシレスDCモータの用途

小型で高出力、低振動かつ低騒音、長寿命といった特徴を備えたブラシレスDCモータは、空調機器(エアコン、空気清浄機など)、住宅設備、冷蔵庫、給湯器、自動販売機、複写機、プリンター、プロジェクター、商用機器、計測器、自動車、医療機器などの分野で、さまざまな用途に使われています。

  • 空調機器
  • 金融端末(ATM)、釣銭機、両替機、券売機
  • 住宅設備
  • クリーンルーム
  • 給湯器、バーナーユニット
  • 光学製品
  • 自動販売機
  • プリンタ
  • 冷凍・冷蔵ショーケース
  • 複写機
  • 健康機器
  • 商用機器

ステッピングモータの用途

ステッピングモータは停止精度に優れ、中低速域のトルクが高く、応答性も鋭いことから、高精度な制御が要求されるさまざまな駆動系の動力源としてわれています。

  • 製造装置
  • 光学ディスクドライブ(Blu-ray/DVD等)
  • 医療機器
  • レーザープリンタ
  • 分析機器
  • デジタルカメラ
  • ATM
  • エアコンのルーパ
  • 自販機
  • 遊戯装置
  • 券売機
  • 複写機
  • ロボット

モータでお客様の課題を解決

ASPINAのモータは、モータ単体だけでなく、駆動・制御系から機構設計までを含んだシステム部品としてご提供しています。試作から量産、アフターサポートまで一貫して対応しています。
さまざまな業界、用途、お客様製品に求められる機能や性能、お客様の生産体制に合わせて、最適なご提案をいたします。

具体的なご要望や要求仕様のあるお客様だけでなく、次のようなお困りごとの段階でもお声掛けをいただき、開発から量産にまで対応しています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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モータとその周辺部分をまとめて設計するのが難しい

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用途に合った既製品が見つからない

  • 「自社製品に合ったモータのカスタム品が欲しいが、取り引きしているモータメーカーに断られた」
  • 「モータをきめ細かく制御したいが、既製品モータでは対応できないので、あきらめるしかないのか」

ぜひ、お気軽にご相談ください。

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