小型人工衛星に最適なQCDのバランスを追求 – 6種のリアクションホイール
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宇宙
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小型人工衛星・CubeSat
各種小型人工衛星向けリアクションホイールを開発中
ASPINAでは現在、100kg・200kg級小型衛星向けのリアクションホイールと、10kgクラスのCubeSat向けの超小型リアクションホイールを開発しています。同時に、お客様のご要望にお応えし、高トルク仕様のリアクションホイールや300kg~500kg級人工衛星向けのリアクションホイールのラインナップ化も検討しています。いずれも、低コストで短期間に製造する低軌道小型人工衛星に特化した仕様を目指しています。
100kg級~500kg級小型人工衛星に搭載するリアクションホイールは直径10~25cm程度の円筒形で、低擾乱、衛星搭載部品に求められる基本的な耐久性を有します。
小型人工衛星での使用に合った品質レベルとし、受注から出荷まで2~3か月という短納期を実現させるため、民生部品を積極的に採用するリアクションホイールを開発します。
小型人工衛星メーカーが望むのは”早く、適切な価格で”
多数の人工衛星を低軌道で運用する衛星網を構築する「衛星コンステレーション」。通信、センシング、測位の分野で新たなビジネスを目指す民間企業が多数参入しています。ASPINAでは日本および米国において、小型人工衛星市場の有識者および衛星開発を行うスタートアップ企業にヒアリングを行いました。開発技術本部のチーフエンジニアで新事業開発を担当する市来浩一は「複数の人工衛星による短期運用が主流になり、長期運用する単体大型衛星とは衛星に求められる品質、性能、コストに対する考え方が異なる」ことに気づきました。小型人工衛星数の増加とともに、1機あたりコストの低下や運用期間の短期化が進んでいます。
人工衛星メーカーはこのような事情に合った部品やコンポーネントを選定します。しかしながら姿勢制御に用いる「リアクションホイール」は衛星の基幹部品にも関わらず、早くかつ適切な価格で供給できるものが市場に少ないことが調査で分かりました。
リアクションホイールは主にフライホイール、電動モータ、制御基板で構成されます。フライホイールの回転数変動に伴う反作用によって、フライホイールを搭載している衛星にトルクを与えることで姿勢を制御します。
民生部品を積極的に採用しつつ宇宙品質を実現するASPINAのリアクションホイール
開発技術本部ではリアクションホイールの研究開発を行うチームを2019年に立ち上げ、市場ニーズの調査から試作、実証実験を手がけています。
衛星メーカーにとって、人工衛星を多く早く製造するために、使用するコンポーネントを短納期で大量に購入することが重要です。ASPINAのリアクションホイールは電子部品などで民生品を積極的に採用することで、受注から2~3か月での出荷ができるよう製品開発を進めています。合わせて宇宙運用での振動・衝撃・放射線などに耐えられる部品の選定と、社内試験による評価を実施しています。「民生部品の選定については、小型人工衛星特有の品質レベルに合ったASPINA独自の評価基準を作りたいと考えています。」(市来)
またリアクションホイールの振動は、人工衛星の観測や通信に影響を与える内部擾乱源となります。擾乱を抑制するためはフライホイールのバランス修正を精密に行う必要があります。そのため、バランス測定をする測定器から見直しを行いました。また特別に設計されたベアリングを採用し、さらに制御面でも安定した回転となるよう工夫します。これらにより従来の量産モータに比べはるかに小さい不釣り合い度を実現します。
100kg級~500kg級の人工衛星向けのリアクションホイールは、直径10~25㎝程度の円筒形です。小型軽量でありつつも十分な強度を得られるよう、各種解析を繰り返して行い、打ち上げ時の振動や衝撃に耐えられる構造を設計します。
人工衛星向けリアクションホイールの主な開発仕様:
項目 | 開発仕様 | |||||
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モデル | ARW-3m | ARW-0.35 | ARW-1A | ARW-1B | ARW-2 | ARW-20 |
人工衛星重量 | CubeSat | 100kg級 | 200kg級 | 200kg級 | 300kg級 | 500kg級 |
最大蓄積角運動量 | 0.003Nms | 0.35Nms | 1Nms | 1Nms | 2Nms | 20Nms |
最大出力トルク | 1mNm | 15mNm | 100mNm | 30mNm | 100mNm | 200mNm |
質量 | 72g | 1kg | 1.5kg | 1.5kg | 1.9kg | 6kg |
外形寸法 | 30 x 30 x 28mm | 100 x 100 x 80mm | 140 x 140 x 50mm | 150 x 150 x 80mm | 140 x 140 x 65mm | 250 x 250 x 120mm |
動作温度範囲 | -30 to 70°C | -20 to 50°C | -20 to 50°C | -20 to 50°C | -20 to 50°C | -20 to 50°C |
放射線(TID) | 30krad | 20krad | 20krad | 20krad | 20krad | 20krad |
供給電圧 | 9V to 12V | 18V to 34V | 18V to 34V | 24V to 34V | 18V to 34V | 28V to 34V |
最大消費電力 | 2.5W | 15W | 100W | 42W | 100W | TBD |
制御モード | Speed or torque | Speed or torque | Speed or torque | Speed or torque | Speed or torque | Speed or torque |
コマンド/テレメトリー | I2C | RS485 | RS485 | RS485 | RS485 | RS485 |
寿命 | 2年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 |
※開発中のため、仕様変更の可能性があります
100kg級人工衛星向けのリアクションホイールは、小型人工衛星メーカーである株式会社アクセルスペース様と共同開発を行っています。この開発は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2020年度宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(ベンチャー企業等による宇宙用部品・コンポーネント開発助成)として、「小型衛星市場の拡大に向けた低コスト・短納期の国産リアクションホイール開発」のテーマで採択されました。
2020年度「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(ベンチャー企業等による宇宙用部品・コンポーネント開発助成)」に係る実施体制の決定について | 公募 | NEDO
またCubeSat向けとして、さらに超小型のリアクションホイールの開発にも取り組んでいます。これは、株式会社アークエッジスペース様が2021年度補正宇宙開発利用推進研究開発(小型衛星コンステレーション関連要素技術開発(軌道・姿勢制御技術))で経済産業省に採択された事業に参加して開発を進めているものです。
令和2年度補正宇宙開発利用推進研究開発(小型衛星コンステレーション関連要素技術開発(軌道・姿勢制御技術))に係る委託先の採択結果について(METI/経済産業省)
リアクションホイールをラインナップ化し多様なニーズに応えたい
「超小型のCubeSatから、数百kg級の人工衛星を中心に小型人工衛星市場は伸びていくと考えられます」(市来)。ASPINAはリアクションホイールのラインナップ化を進め、衛星のサイズ、使用目的など様々なニーズに対応したいと考えています。
リアクションホイールの開発は、衛星コンステレーションの構築を部品レベルから後押しするものです。また衛星コンステレーションを活用したビジネス創生のチャンスとなり、結果として、災害管理、自然環境、農業、都市開発、交通、流通網管理などのアプリケーションの開発を通じて身近な生活にも貢献すると考えます。
宇宙ビジネスでの成功のために、ASPINAの小型衛星向けリアクションホイールをお選びください。
関連情報
Exhibition information
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2024年10月8日
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2024年9月30日
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2024年9月18日