医療機器を変える高圧・高応答・静音・小型 - CPAP・人工呼吸器用ブロワ

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CPAP装置・人工呼吸器メーカーの要求に応えるブロワとは

「世界の医療機器メーカー様が求めるのは”高圧・高応答”」医療機器向け製品の事業を担当するMEビジネスユニットでは、新開発のブロワでこの顧客価値を実現しました。

ブロワは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療用のCPAP装置や人工呼吸器の多くで吸気ガスの発生に使用されており、回転数を変化させて流量を調節します。人工呼吸器で必要とする大流量のガス供給や、今後増加する「チューブを細く長くして取り回ししやすく」というニーズに応えるには、チューブによる圧力損失に負けない高圧力のガスを供給する必要があります。単純にファンやモータを大型化するとブロワそのものも大きくなり、ブロワを搭載するCPAP装置や人工呼吸器も大型になってしまいます。

CPAP装置や人工呼吸器を在宅などで用いる場合、設置スペースの制約や取り扱いのしやすさからなるべく小型のものが望ましいです。

また、様々な疾患や病態における換気の補助や治療を、患者の負担をできるだけ少なく行えるよう、近年の人工呼吸器では様々な換気モードが開発・実用されています。例えば患者の自発呼吸を検知してその変化に追従するモードがあります。このような場合などでは、瞬時に大量のガスを供給できるよう0から10kPaまでの立ち上がり速度が180ミリ秒という高い応答性がブロワに求められます。このためにモータやファンなどの回転体のイナーシャを小さくすると同時に瞬時に加速するパワーが必要です。

一方ASPINAでは、2011年からSAS治療用CPAP装置で使用するブロワを供給していますが、一定の周波数でピークレベルを持つ離散周波数騒音が、患者に耳障りに感じることが分かっていました。そのような騒音の発生を抑制することが、患者のそばで長時間稼働する医療機器において重視される“静音”につながると考えました。

このようにブロワは、高応答で静音でありながら小型であることが求められますが、高圧・大流量とするためにモータやファンを大径化するのでは実現できません。

60年培ったモータ開発・生産のノウハウで、モータ設計とファン設計を同時に行い、相反する市場要求を全て実現

ASPINAでは、モータ、インペラ、ハウジングなど、部品レベルから設計を行いました。MEビジネスユニットでは、開発設計課課長の酒井、チーフエンジニアの神戸や梅松、吉田を中心に、モータ設計、ファン設計それぞれを専門とするエンジニアを集めたチームを結成し、ブロワの開発を進めました。

モータの設計を担当する神戸は、磁束の強いマグネットを採用するなどにより回転子を小径にしつつ高速回転に耐える強度を確保しました。また固定子も、巻線の工夫などを行い、電力損失を抑えました。これにより、50,000回転/分(5kPaブロワの場合)以上での高速回転や高トルクを実現しつつ、イナーシャを抑えました。さらに、モータの振動がブロワの構造体に伝えにくい構造としました。

またファンの設計を担当する梅松は、スクロールとインペラの形状と構造を工夫しました。離散周波数騒音を抑制するよう、インペラとスクロールとの位置関係や、インペラの羽根数や形状を決定しました。インペラの形状は軸スラスト対策など、他の原因による空力・機械的騒音も抑制するよう設計しました。またブロワが大型化せずイナーシャを抑えられるようインペラをなるべく小径にしつつ、同時に高圧ガスが供給できるように設計しました。

こうして、直径62㎜、高さ50.3㎜(5kPaブロワの場合)という小さな筐体のブロワが完成しました。

ブロワの性能では、同等の外形寸法である当社既存ブロワの2.2kPa、40リットル/分に対し、新しいブロワは5kPaブロワが100リットル/分、10kPaブロワで最大200リットル/分の連続使用を実現しました。

また応答性は、10kPaブロワで0から10kPaまでの立ち上がり速度が180ミリ秒という実現困難と思われた市場要求を、モータ部とファン部のバランスを取ることで達成しました。

ASPINAブロワの応答性を表すグラフ 5kPaと10kPaのブロワと、当社従来品との比較 ASPINAブロワの応答性 10kPaブロワで0から10kPaまでの立ち上がり速度180ミリ秒を達成

静音性については、5kPaブロワ、10kPaブロワ共に、人工呼吸器で使用される圧力全てでの低騒音化に成功しました。5kPaブロワでは同一環境での騒音試験にて従来品よりも10dBA以上騒音値が低くなりました。

ASPINAブロワの騒音値を表すグラフ 5kPaと10kPaのブロワと、当社従来品との比較 ASPINAブロワの騒音値 5kPaブロワでは使用圧力の全領域で従来品より10dBA以上低い

性能と品質を向上させる取り組みを、市場調査から生産までのあらゆるプロセスで実施

MEビジネスユニットでは、日本、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地の展示会に出展し、来場者にブロワの試作品を見ていただきながら意見交換をし、試作品の評価をフィードバックしつつ開発を進めました。

手のひらに乗せた5kPaブロワ 5kPaブロワの外観画像 当社旧機種とサイズを変えず性能を大きく向上させた

性能の実現と品質の確保については技術開発だけでなく、生産面でも取り組んでいます。例えば静音に関しては、ブロワ個体ごとに騒音の発生にバラつきが出ないよう、回転体のアンバランスを抑制するマイナスバランス修正を製造段階で行っています。またブロワの組み立てのみならずモータやインペラといった部品の生産も当社工場で行っています。

ブロワの生産については、当社の国内工場が医療機器品質マネジメントシステムISO13485の認証を取得予定です。

患者のQOL向上や医療従事者の負担を低減する医療機器の開発を支援します

高圧・高応答を実現した新しいブロワは、業界を変革するCPAP装置・人工呼吸器の開発に意欲的な医療機器メーカー様でご採用の検討が進んでいます。

ASPINAのブロワは医療機器のみならず、産業機器や住設機器などでも幅広い採用実績があります。「小型、高圧、高流量、高応答、静音」のファンモータも数多く取り揃えています。また医療機器向けには、新しいブロワ以外にも、医療機器用コンプレッサーの開発や、モジュール開発受託(ODM)も行っています。このような製品やサービスを提供することで、患者のQOL(Quality Of Life 生活の質)向上や医療従事者の負担低減を医療機器メーカー様とともに実現したいと考えています。ぜひASPINAをご用命ください。

 

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