ウェアラブル人工呼吸器システムにASPINAの4気筒コンプレッサーを使用

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医療機器メーカーB社様

ベンチャー企業によるウェアラブルな呼吸器系装置開発への挑戦をご支援

医療機器ベンチャーのB社様は、複数の患者カテゴリーに対応できるウェアラブル人工呼吸器システムを開発するアイデアをお持ちでした。

  1.  COPD (慢性閉塞性肺疾患)患者向け。疾患のあらゆるステージにおいて動きやすいシステムであれば、高いQOL(生活の質)を提供できる。
  2.  肺移植患者向け。手術後にいち早く自力で動けるようになり、回復を早めることができる。およそすべての種類の肺移植に対応できる。

しかしこのようなシステムの開発には、携帯できるサイズまで小型化しながら、十分な空気圧と空気の流れを発生させることが課題でした。

B社様はシステムの企画段階で、小型で不快な振動音のないコンプレッサーを求めていました。しかし、当時市場には単気筒と2気筒のコンプレッサーがあったものの、いずれもB社様が求める騒音基準をクリアしていませんでした。その頃、ASPINAでは新しい4気筒コンプレッサーを開発したところでした。

4気筒構造と自冷ファンで顧客価値を提供

img-007-01.jpg      ASPINAの自冷ファン付き4気筒コンプレッサー

ASPINAの4気筒コンプレッサーは、2気筒を対向させ、ピストンの前後運動を同期させる構造と仕組みによって振動音を抑制することができます。また振動音の抑制だけでなく、ASPINAはB社様の人工呼吸器システム全体を小型化することができないかと考えました。そこで、コンプレッサーを冷却するファンをコンプレッサー自身に組み付けることにしました。コンプレッサーがピストンを動かしながらファンを回転させることで、コンプレッサー本体に空気を当てます。これにより、人工呼吸器本体にコンプレッサー冷却用のファンを取り付ける必要が無くなります。その分のスペースが削減され、装置全体の小型化ができました。

ベンチャー企業の新製品ラインナップの設計を支援

ASPINAはB社様によるシステム開発と密に連携し、人工呼吸器システム全体の熱効率と電気効率を改善するために複数の改良を行いました。CAD設計や広範囲に及ぶ耐久試験、システム冷却モデルによるシミュレーションなどの高度なエンジニアリングサービスを提供しました。

耐久試験は全開発工程を通じてASPINAで行いました。製品寿命を延ばすことは、B社様だけでなく装置のエンドユーザーにとっても大きなメリットがあります。その後、この製品はFDA(アメリカ食品医薬品局)へ申請され販売許可が下り、米国メディケアによる償還プログラムの対象製品として承認されました。

ビジネスを拡大するASPINAの顧客

このベンチャー企業はその価値を認められ、30億米ドル規模の医療会社に買収されました。現在、患者のQOLを向上させる装置は何千とありますが、その中でもこの装置は、今後数年で売り上げが3倍になると予測されています。

この装置をさらに改良するために同社では耐久試験が続けられています。より小型化したASPINAの新型コンプレッサーを使用した新製品を設計中で、さらなる軽量化と可搬性の向上を目指しています。

課題

  • ウェアラブル人工呼吸器システムを小型かつ低騒音にしたい
  • 医療機器でよく使われていた従来のコンプレッサーでは仕様未達

対応

  • 独自の4気筒構造により振動音を抑制
  • 自冷ファンを組み付けることで、人工呼吸器本体の冷却ファンを不要に
  • お客様の新製品立ち上げまで包括的にご支援

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