着ける人のことを考えたアシスト機器の開発に成功。モータ専門家との協業で社内の経験値が向上

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介護機器メーカーA社様

社会を変革する製品。その開発に横たわる課題

「厚みの原因となっているアクチュエータをなんとかしなくては・・・」

介護機器メーカーA社の設計開発部で介護動作をアシストする機器の試作を行っていた、F様のお悩みでした。

高齢化により需要の増す介護業界。しかしそこでは慢性的な人材不足が起こっています。その要因の一つに移乗動作に伴う介護者の肉体的な負担があります。介護する側が腰痛などで職を離れざるを得ない状況は、報道などで数多く取りざたされていました。

介護業界での貴重な人材の離職を減らすという社会的な要請に応えるべく、A社は介護者の腰を保護する目的で、身体装着型のアシスト機器を開発することにしました。

F様の主導の下、アシスト機器の試作品が完成しました。しかし実際に装着してみたところ、機器の厚みが動作の邪魔となり移乗動作がスムーズに行えませんでした。既存モータに減速機とエンコーダを取り付けた組み合わせでは、アクチュエータ全体のサイズが大きくなり、アシスト機器全体が分厚くなってしまいました。

その機器の厚みは、目標にしている規定数値の倍以上になっていました。

大きさだけでない、アシスト機器特有の課題。それを解決する知見が自社になく・・・

問題は、アクチュエータの大きさだけではありませんでした。

アシスト機器には、装着する介護者の様々な体格に応じた精緻な動作制御が必要であることが明らかになりました。これまでの一般的な制御方法では、理想とする制御を実現することは難しく、それどころかかえって介護者の体を痛めてしまう可能性がありました。

アシスト機器を精緻に動かすためには、モータを制御する技術が必要です。しかしA社にはモータに通じた専門家がいませんでした。また理想の制御を実現するためのモータに関する経験値もありませんでした。

モータに手をつけられずにいた頃、F様は、お取り引きのあった当社にご相談されました。

2つの課題をクリアしたモータとは

ご連絡を受けて訪問した当社の担当者は、「モータの厚みの問題でしたら、減速機と独自開発のエンコーダ機能の両方を内蔵した薄型アクチュエータを使用してみてはいかがでしょう」と提案いたしました。

サンプルとして担当者が持参したアクチュエータは、F様にとって想像以上に小型で軽量でした。「こんなに小さくて出力は大丈夫か?」とお感じになったようです。当社の担当者は「ご心配ありません」とお答えいたしました。

「目標にしていた規定数値内での製品化が実現できそうだ」F様は早速、当社の薄型アクチュエータを使用した試作品を制作しました。以前の試作品に比べ機器の厚みを50%以上減少させることができました。

そして、もう1つの課題であった精緻な制御も、小型で多機能のサーボドライバによる高精度なトルク制御機能を使うことで、容易に行うことができました。理想とするアシスト機器の動きが実現しました。

開発で日々起こる問題に、モータメーカーと協同で取り組む

当社はA社での開発プロジェクトに参加させていただき、開発期間中に日々起こる複合的な問題にも対応しました。それらは、A社社内の経験値の向上につながったとのことです。

こうして、A社では想定よりも短い期間でアシスト機器の開発を完了することができました。

この薄型アクチュエータはカスタマイズも可能で、小ロットにも対応できます。このため他の製品への活用方法もありそうで、ユーザーニーズにこれまで以上に柔軟に対応できるだろうと、F様は期待を寄せていらっしゃいました。

課題

  • 試作品のアクチュエータは大型で、移乗動作に支障
  • 介護者の体格に応じた精緻な制御が必要だが、知見に乏しい

対応

  • 減速機・エンコーダを内蔵した薄型アクチュエータを採用
  • 高精度なトルク制御で理想の動きを実現
  • モータ専門家との協業で社内の経験値が向上

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