微量の液体を正確に送り出すモータの低振動化。原価予算内で液体検査機器の開発に成功

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精密検査機器メーカーB社様

研究開発競争に勝つための液体検査機器。それは・・・

化学や医薬分野で繰り広げられている熾烈な研究開発競争。それを支えるのが高速で高精度かつ低コストな分析技術です。精密検査機器メーカーB社ではそのような市場環境の中、液体の成分を検査分析する機器の開発を進めていました。

検査機器内部では、液体がマイクロリットル単位の検体となって検査分析されます。液体や試薬などを微かな量だけピペットから送り出すポンプには精密な制御が要求されます。そのポンプを駆動するのがモータですが、ここに課題を抱えていました。

それまで使用していたモータでは、ポンプの駆動中に振動が発生し、常に一定の量の液体を供給することができませんでした。また、長時間にわたり検査機器を使用する現場では、検査機器は研究者や分析者の近くに設置されます。このため検査機器には、人にとって不快な動作音などを極力抑えることが求められていました。

ポンプ用モータの選定を担当することになったB社開発センターのA様は、この低振動と静音という技術的な要求をクリアする必要がありました。

二律背反の悩みに直面

A様は、低振動と静音という課題を解決できるモータを探索・検討しました。一般的には低振動で静音とされるDCブラシレスモータにギアを組み合わせて、精密な制御を行うことを考えました。しかし、微細な機械加工を施すギアやギアボックスが必要なため、コストが折り合いません。

一方、既存のモータや低価格なモータでは、精密制御はもとより、電機部品が持つ電磁音や駆動音、モータの共振から発生する騒音も抑えることができません。

A様は、この低振動と静音という技術的な要求とともにコストという壁に直面し、頭を抱えていたそうです。

そこで、A様が職場の先輩に相談したところ、「ステッピングモータなら安いけど」とアドバイスされました。そこで調査をする中で、ステッピングモータの開発を多く手掛ける当社を見つけたそうで、当社のウェブサイトからご連絡がありました。

ステッピングモータにも課題。メーカーの提案は

ステッピングモータはB社様のニーズには有利な点が多いですが、課題もあります。それはステッピングモータ自身が起こす「共振」です。ステッピングモータは、一定速度で回転せず、小刻みに加速と減速を繰り返し、それが微細な揺れを引き起こします。その揺れの周期によっては、モータが突然大きく振動を始め騒音を発生させる場合があります。これが共振です。

当社からは営業担当者とともに、モータの開発技術者も一緒に伺いました。そこでこう提案いたしました。「ステッピングモータで発生する可能性がある共振については、モータ、エンコーダ、ドライバを組み合わせたマイクロステップ技術を使って解決します。」つまり、共振を起こさない短い周期でモータを動かすという仕組みです。

また、共振を生む周期は製品ごとに微妙に異なります。そこで、「モータとドライバのパラメータを調整して解決します。ステッピングモータの特性をエンコーダが感知、その情報をドライバによって最適なパラメータにして制御します。」とご提案しました。

ここで、「このステッピングモータであれば、低振動と静音を実現したうえに、コストの問題も解決できる」との感触をA様は得たそうです。

「こんなに静かなんて」

モータの仕様やポンプの特性の確認を何度か実施した後に、A様はASPINAのステッピングモータの採用を決めました。検査機器の試作中には設計変更が何度かありましたが、その都度、当社から情報やアイデアをご提供しました。最終的には、従来のポンプ用モータに比べ振動を1/3程度に低減させることができました。

B社様の社内で開かれた試作機の内見会では「ステッピングモータといえば共振やノイズが問題と考えていたが、こんなに静かなんて」と高い評価を得ることができたそうです。

振動を部品ではなくソフトウェアの制御で解決しているため、コストも一般的なDCブラシレスモータとギアとの組み合わせに比べ、50%以下に抑えることができました。新しい液体検査機器は、原価予算内での開発ができたとのことです。

B社様の営業部門の方によると、発売後の受注も好調のようです。「困ったときにはその道のプロに相談してみることが大切だ」とA様はお話しくださいました。

課題

  • 液体検査機器の新製品開発 より精密な制御と静音が求められる
  • 既存モータでは振動が大きく、微量の液体を常に一定量で送り出せない
  • モータとギアとの組み合わせを検討したが、コスト高

対応

  • ステッピングモータを検討 共振を回避する提案もあり、採用を決定
  • 開発中の設計変更も、モータメーカーならではのアドバイス
  • ソフトウェア制御のため、コストも低減

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