医療用サーボモータで、人工透析装置や輸液ポンプを静音・小型化

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人工透析装置/医療用輸液ポンプ

人工透析装置や輸液ポンプの新製品開発を促す、利用シーンの広がりや用途の多様化

人工透析装置や医療用輸液ポンプの新製品開発においては現在、静音かつ小型軽量、低消費電力が課題となっています。

人工透析装置や医療用輸液ポンプは世界的に安定成長が予想されています。高齢化や生活習慣の変化といった社会的な疾患リスクの増大の他に、いくつかの理由があると考えられます。1つは利用シーンの拡大で、患者の生活の質(QOL)維持向上のため、また感染症蔓延などの影響により、在宅や隔離された室内での使用が進むと考えられます。また、規模の大きな病院などでは多数の装置を運用する手間がかかっており、医療従事者の負担を軽減する可搬性の高い機器の開発へのニーズが高まっています。

人工透析装置の蠕動ポンプ部の外観画像 ポンプヘッド(ローラー)がチューブを周期的に押圧して蠕動させる 人工透析装置の蠕動ポンプ部

輸液ポンプについては、新しい化学療法での使用など用途が多様化しています。また高分解能で注液量の管理を行う制御や、患者が移動しながら使用できる可搬性などが求められています。

蠕動ポンプを駆動するモータの選定に課題

人工透析装置や輸液ポンプの静音、小型軽量、低消費電力を目指すために機器設計で最を考慮しなければならないものの1つが、チューブを蠕動させるローラーやフィンガーを動かすモータの選定です。

血液や溶液を送出する蠕動のスピードに合わせた低速回転を得るためにモータと減速用ギヤとを組み合わせたギヤードモータを使用する場合、次のような課題があります。

静かな室内で装置の近傍にいる患者にとって、ギヤなどが生じる摩擦音や風切り音が耳障りに感じ、安静や休息を妨げる原因になります。またモータ単体の他にギヤ部を収容するスペースが装置内に必要で、装置の小型化を検討する際の制約になることがあります。

ブラシレスDCギヤードモータの内部にあるギヤの様子の例を図示したもの ブラシレスDCギヤードモータの内部にあるギヤ(例)

バッテリー駆動の人工透析装置や輸液ポンプを開発する場合、バッテリーによる使用時間を長くするには低消費電力化が常に課題になります。モータは装置全体の消費電力の多くを占めるため、消費電力の小さいモータを選定したいところです。

また、人工透析装置や輸液ポンプの新製品開発を行う設計部門の事情により、モータの選定が困難な場合があります。モータの種類や仕組み、製品などの詳しい情報や知見が十分ではない、装置の開発期間や工数に限りがありシステムに適したモータ選定を行う余裕がない、などです。

ステッピングモータをベクトル制御で駆動 ギヤボックスが不要 機械音が減り、小型に

ASPINAは、静音化、小型化、低消費電力といった課題をクリアする、医療機器用のサーボモータシステムを提案しています。

医療用サーボモータシステムの外観画像 医療用サーボモータシステム

従来のギヤードモータと、医療用サーボモータを並べてサイズを比較した図 従来のギヤードモータと、医療用サーボモータのサイズ比較

この医療用サーボモータシステムは、低速で高トルクを出すステッピングモータを、ギヤを使わずにダイレクト駆動させます。このためギヤードモータに比べ小型・軽量で、従来のギヤードモータに比べ軸方向の長さが75%になります。

またステッピングモータをベクトル制御で回転させます。これにより、一般的な制御で駆動したステッピングモータに比べ高トルクで脱調がなく動作可能です。また必要な負荷に合わせて電流を消費することやギヤにかかる負荷がないため、消費電流は小さく抑えられます。

医療用サーボモータシステムの消費電流(オレンジ)とトルク(赤)の時間変化を表したグラフ 医療用サーボモータシステムの消費電流(オレンジ)とトルク(赤)

また医療用サーボモータシステムは低発熱のため、装置の小型化に寄与します。負荷によって変わりますが、輸液ポンプでの試験では温度上昇は従来品の半分以下になりました。

ASPINAはハイブリッド型ステッピングモータの世界的なリーディングカンパニーです。この医療用サーボモータシステムは、医療機器で実績のあるステッピングモータを採用します。

またお客様のニーズに合わせて、医療機器の品質や安全に関する規格に適合した製品を提供します。

多種類のサイズ、ドライバ一体/別体、ローラーやカムを含めた開発製造受託で、多様な顧客ニーズに対応

ASPINAの医療用サーボモータシステムは、必要な流量に合わせてモータのサイズを選べます。

□28~□60のラインナップを取り揃えます。またドライバ一体型と別体型の両方があり、装置内への組み込み方に合わせて選べます。

さらにはASPINAでは、モータだけでなくローラーやカムなどが一体となったモジュールとして開発・供給が可能です。これによりお客様の新製品開発・製造における負担を軽減することができると考えます。

医療機器開発のパートナーとして、ASPINAはお客様の事業がさらに成長するようご支援します。

課題

  • 在宅使用ニーズの増加、用途の多様化で、人工透析装置や輸液ポンプの静音化や小型化が求められる
  • 静音・小型のカギとなるモータについての知見が少なく、システムに適したモータ選定ができない
  • 装置の開発期間や工数を少なくしたい

対応

  • 低速回転が可能なダイレクト駆動のステッピングモータは、ギヤが不要のため相対的に小型で軽量
  • ベクトル制御でなめらかな回転 低消費電力と低発熱
  • 流量や装置への組み込み方に応じてサイズやドライバ一体/別体を選べる ローラーやカムとの一体開発・供給も可能

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