ブラシレスDCモータの価格と性能、部材について

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2022年1月31日

ブラシレスDCモータの性能は、価格決定要因の1つです。ブラシレスDCモータは、通電のための接点である整流子とブラシが摩耗をするブラシ付きDCモータに比べ、比較的長寿命であるメリットを持っている一方、駆動させるための回路が必要です。このように、ブラシレスDCモータとブラシ付きDCモータとでは、性能とコストとでトレードオフの関係があります。

また、同じブラシレスDCモータでも価格に差が生まれます。求める性能によっては、リーズナブルなブラシレスDCモータを作ることは可能です。しかし、手頃なブラシレスDCモータでは、実現できる性能が限定的なものになってしまうのです。

ブラシレスDCモータの部品・材料の違いにより実現できる性能と価格が変わる

ブラシレスDCモータの価格は、構成する部品や使用する材質により変動します。これらの要素が実現できる性能に直結し、結果的に価格へも影響を与えることになります。

ブラシレスDCモータを構成する主要な部品、材料における一般的な性能とコストの違いは下表のとおりです。

主要部品・材料名 部材特性 部材コスト 生産コスト 性能(特性)への影響
ロータ(回転子)マグネット 高性能 高コスト 普通 高性能(トルク特性など)
低性能 低コスト 普通 低性能(トルク特性など)
電磁鋼板 高グレード 高コスト 高コスト 高性能(高効率)
低グレード 低コスト 普通 低性能(低効率)
回転子軸受け ボールベアリング 高コスト 高コスト 高性能(長寿命など)
スリーブベアリング 低コスト 普通 普通

ロータ(回転子)マグネット

ロータ(回転子)マグネットは、一般的に永久磁石界磁式と巻線界磁式があります。マグネットの特性は、モータトルクに影響を及ぼす要因の一つであり、より高効率な特性を持ったマグネットを採用することで高性能なモータを実現することができます。

しかし、より有利なトルク特性を持ったブラシレスDCモータは、部材コストが上がってしまいます。部材特性の低いものを使えば低コストになるものの、モータ性能が低下してしまうため使用する場面が限定されます。

電磁鋼板

モータは主にステータ(固定子)とロータ(回転子)で構成されており、そのコアに電磁鋼板が使用されています。電磁鋼板のグレードによって、モータが発揮できる効率面で違いが出ます。

低グレードのものは部材コストや生産(加工)コストが抑えられるものの、モータの性能としては低効率になってしまいます。一方、高グレードの電磁鋼板を採用することで、非常に高性能なモータを実現できます。しかし、部材コストも生産コストも上がってしまいます。

回転子軸受け

回転子軸受けにはベアリングが使用されています。ベアリングにはいくつかの種類があり、回転子軸受けにはスリーブベアリングとボールベアリングが採用されています。スリーブベアリングは生産コストを小さく抑えることができ、性能的にも不足を感じない製品になります。

コスト高となるものの長寿命など高性能を求める場合は、ボールベアリングを採用したブラシレスDCモータを選定することで実現するでしょう。

ブラシレスDCモータの価格と性能・部材について

ブラシレスDCモータは、求める性能のレベルに応じた設計と使用部材の選定によって価格が変化します。その主要部品であるマグネット、電磁鋼板、回転子軸受けでは、その選定によってはっきりと、トルク特性・回転数・騒音・効率・寿命・信頼性などの性能差が現れます。

性能実現のために、使用部材が異なるマグネット・電磁鋼板・回転子軸受けなどを用いることで、ブラシレスDCモータの性能とコストが決定される要因になります。

ブラシレスDCモータの価格と性能に関しては、何を優先させるかで異なってきます。これは常について回る問題となるため、性能を求めれば自然と価格も上がってしまいます。価格と性能のバランスは重要ですが、性能に妥協するというのはなかなか厳しいものです。価格と性能、部材の違いを把握して、自身にとって最適なモータを手に入れましょう。

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